冷えた夏みかん

日々妄想、問答。

頑張りすぎたお婆ちゃん

我が家のお婆ちゃんはいつも頑張りすぎる。

 

人にしてあげようと頑張り、自分は粗末なご飯を食べ、いつも一人きりでいようとする。

その内荒が出てしまい、今日も軽い喧嘩もどきみたいになったので、私は然らば101円持って散歩に出た。

とりあえず、御霊さんに参る。

一円投下し、鈴を鳴らして「心が静まりますよーに」と願い、その後たい焼き屋さん目指して歩き出した。

歩く道道、桜の蕾を見ながら考えた。

今日は自分のためにと考えて出てみたが、果たしてそれでいいんだろーか。

いいに決まってるさ、と一人ごち、公園内の時計台などぎょろぎょろ見ては可愛い造りの交番を後にし、信号を待つ。

犬が今日は吠えないな。見限られたか。

すると、ビルに日差しと旋回する大きな影。

 

鳶が飛んでいるのだ。

とにもかくにも、私の上を。

 

油揚げ狙ってんのかな、カラスかと思った。

見ている内に、昔住んでいた山の手の方のことなど思い出し、最近懐かしい夢ばかり見ることや、昔飼っていた犬がめっきり夢に出なくなったことなど考えた。

 

とにもかくにも、晴れ晴れと晴れるらしいな、私は晴れ女である。

 

駄菓子屋に行くことにした。100円あれば御馳走が食べられる。

着いたところ婆ちゃんたちが居て、「先にしてあげて!」と譲ってくれたが、まだ決めかねていたので辞した。

合格、夢、感謝と書かれたどら焼きが目に新しい。

それ以外にもぐでたまのチョコやリラックマチョコなど、新しいものが入っている。

なかなか充実してきたな。

 

子供みたいな真似を、と自分で自分に怒っていたが、別にいつまでも子供でも構わないのかもしれない。そんなことを思いながら咄嗟に100円のバレンタインチョコを選び、婆ちゃんに持って帰ることにした。

 

気持ち気持ち、気持ちが大事なんだ、こういうことは。

 

龍神さんまで行き、手を合わせて「こんにちは」と呟いてから、商店街を回り犬をやはり見て帰った。

犬は三匹とも可愛い顔をしていて、黒のびびりが吠えると、白い子が吠えちゃいかーんとばかり止めに入る。

耳垂れた子がどうも私には気に入りである。凛々しい。

わんわん吠えられて帰る。

 

帰る道すがら、粉雪に包まれ日を浴びた御霊さんの神々しいこと!

駅前の家々は非常に私好みである。

 

商店街を歩いていたら、アメージンググレースが流れていた、そんなことばかり覚えている。

 

婆ちゃんとは仲直りしました。

バレンタインは仲直りのチャンス也。

では。