冷えた夏みかん

日々妄想、問答。

晩茶で一服

夏は働かなくなって、金を貯めては勉強ばかりして試験を受けたが、どうも受かった気がしない。

 

独学は凄いと言われるが、いまいち真剣でなかったと自分で自分に腹が立つ気性で、今は復讐とばかり復習を欠かさない毎日だ。

 

そして今月分、かなり高額な請求が来たのにまた頭を悩ませながら、その悩みの種の中心人物達について考えた。

 

さて、昼間は缶詰になり舌打ちを繰り出すほど気が悪くなるので、母には悪いなと思っている。

母は夏には甘えられるらしく、時々当たってくるが、もう仕様がないなと諦められるほど余裕のある大人でもなく、祖母が間に入って事なきを得た。 

 

母子揃ってなにをしているのやら。

 

私は滅法お金が嫌いになったよ、と夏。

嫌いになったからこれからは貯める一方だ。

 

もう買い物なんて、金輪際せん、と夏は出来もしない誓いを立て、ノートに文など書いて真剣なのを表現してみた。

 

母が仕事に行ったら、父子三人の時間帯。

iTunesのフォアユーの選曲に舌打ちし、病を患う弟が素直に甘え出したことに内心安堵しながらも、今まで支えてくださった方達へ謝罪の仕様もない態度を取ってしまうことや相変わらず約束を破ることなど考えてはため息をついた。

 

そして売ると言っておいたはずの本などほじくり返しては読み漁っている。

 

はー、この子だけは、ほんとに。

 

そう思いながらもまた、お菓子ない?と子供じみたことを言うので、甘めのコーヒーを淹れてやろうとお湯が沸くのを待っている最中で、IHのこれがあって本当に良かったと思った。

 

筆舌に尽くしがたいほど、地域の方々にお世話になっている。

 

主に弟の件で。

この子が問題なく街を散歩できるのは、見守ってくださる方々のお陰だ。

 

ありがとうございます、とまた神社の方に手を合わせながら、この感覚はこちら独特のものだろうなぁと考えた。

 

お陰様。そんな言葉がこの地域ではよく回っている。

 

祖母にあの芸能人は気分が悪い、と言ったら、嫉妬に取られるから見るだけにして悪口は言うな、と言われた。

図らずも、応援することになるのだそう。

 

ははぁ。

 

夏はまた一つ勉強になったとはてなブログを見て、それからブログから教わったことを洗面所から出てきた母に伝えた。

 

そうね、夏の言う通りだと思う、母は頷いた。

 

あの子はこの日々を、楽しく思っている。

 

それだけがわかっている。

 

ただ、夜は寝なさい。

そう言いたいのを堪え、付き合ってやる。

人間寂しいのが一番駄目なことだから。

 

私達は晩茶の後を片付け、朝一服するためのお茶を新しく淹れ直した。