絶望さんと希望さん
風呂の中で頭を洗っていると、絶望さんが出てきて、「なんだこりゃ、ここは希望にまみれてるじゃないか」去る、と言う。
「お待ちになって!」と希望さんが出てきて、「ちょうど今お紅茶とクッキーが出来上がったところですのよ、絶望さんもいかが?」と勧める。
私が髪を拭きながら見ていると、窓辺で二人はお茶会をしだし、紅茶を飲んだところで絶望さんは希望さんにぽんと変身した。
きゃっきゃうふふと笑う二人を捨て置いて、私は頭をもたげだした新しい絶望さんを連れて二階へ上がり、アイフォンのフォアユーでビートルズを聴いて寝ていたら、いつの間にか電気が消されて布団が掛けられていた。
「しからば、さらば」
絶望さんがふろしきを背負って出ていくと、また新たな絶望さんが出てきて、私に添い寝した。
「一人になったら、どうなるのだろう」
そこへ希望さんが、「あなたなら、大丈夫」と頭を優しくなでてくれた。
またぽん、と絶望さんが希望さんに取って代わった。
そんな私の絶望曜日。希望に取って代わられる。毎日毎日、繰り返す。