うたかたの日々を守る
眠る赤ん坊。この子を守るのが、従姉妹の目下の役目だ。
彼女はこの子を産む際、沢山決意しただろう。沢山諦めただろう。その責任の重さを真剣に考えられる子だから、私はさして驚かなかった。この子なら大丈夫、そんな気がしていて、案の定従姉妹は知識を蓄えて育児に当たっている。
世間が何と言おうとも、うたかたの日々を、守らなくてはいけないよ。
そんな風に思った。
例えどんなに荒れ狂う風の中にやられたとしても、心は強く、前を見据えて。
ずっと進まねばならない。下手な足払いに引っかかったりしない。
その自信がある。
それが絶望から来ているとしたら、何という希望だろうか、それは。
明日へ手を伸ばす、ただそれだけ。
今日も犬は可愛い。赤ちゃんはすやすやと眠る。